戦国武将とSDGs 明智光秀編 その1

戦国武将とSDGs

はじめに

 今回より「戦国武将とSDGs」という戦国武将の領国経営を現在多方面で注目されているSDGS(持続可能な開発目標)の観点から分析するという、斬新かつ挑戦的なテーマで連載を進めていくことになりました。すでにこのテーマは「彦根プレミアム塾 彦根ヒストリア講座~神になれなかった近江の強者たち~」という連続講座でスタートしておりますが、そこでのケースをバージョンアップしたものや新たな戦国武将も取り上げて連載する予定です。

 第1回は、現在大河ドラマ「麒麟が来る」の主人公であり、彦根ヒストリア講座で最初に登場した今注目の明智光秀を取り上げます。光秀のSDGs分析に入る前に、まずはSDGsについて簡単に説明したいと思います。

SDGsとは?

SDGs(Sustainable Development Goals)とは「持続可能な開発目標」と訳されているもので、第70回国連総会(2015年9月25日に開催)で採択された「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ(戦略や行動計画という意味)」という文書の中で登場します。具体的には、以下の17の目標があります。

  1. 貧困をなくそう
    あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる。
  2. 飢餓をゼロに
    飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する。
  3. すべての人に健康と福祉を
    あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する。
  4. 質の高い教育をみんなに
    すべての人々への、包括的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する。
  5. ジェンダー平等を実現しよう
    ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う。
  6. 安全な水とトイレを世界中に
    すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する。
  7. エネルギーをみんなにそしてクリーンに
    すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する。
  8. 働きがいも経済成長も
    包括的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する。
  9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
    強靭(レジリエント)なインフラ構築、包括的かつ持続可能な産業化の促進およびイノベーションの推進を図る。
  10. 人や国の不平等をなくそう
    各国内及び各国間の不平等を是正する。
  11. 住み続けられるまちづくりを
    包括的で完全かつ強靭(レジリエント)で持続可能な都市および人間居住を実現する。
  12. つくる責任つかう責任
    持続可能な生産消費形態を確保する。
  13. 気候変動に具体的な対策を
    気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる。
  14. 海の豊かさを守ろう
    持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する。
  15. 森の豊かさも守ろう
    陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の促進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する。
  16. 平和と公正をすべての人に
    持続可能な開発のための平和で包括的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する。
  17. パートナーシップで目標を達成しよう
    持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する。

明智光秀のSDGs分析 その1

功績1 領民を安心させる善政を敷く

SDGsの観点から明智光秀の功績を見ていくと、最も顕著な結果を残したのが丹波平定後の領国経営でした。丹波平定をめぐる激戦の中ですっかり土地が荒廃して生活に困窮していた領民に対して光秀は、地子銭(宅地税)を免除し、年貢米未進を破棄する徳政令を出して貧困をなくし、住みつづけられるまちづくりを実践しました。光秀が丹波の領民から慕われていた証として、没後120年以上経った1705年に光秀を祭神とする御霊神社が現在の福知山市に建立されました。
光秀は、荒廃した領国で貧困にあえぐ民を救済するために、税金を免除したり、徳政令したことはSDGs1の「貧困をなくそう」の目標にまずつながりますし、金銭的な不安を解消させることによって逃散を防ぐことになるのでSDGs11の「住み続けられるまちづくりを」の目標達成に向けての基礎を築いたと言えるでしょう。

「戦国武将とSDGs 明智光秀編 その2」につづく

SDGs分析

小野 善生氏

滋賀大学経済学部教授
1974年京都府生まれ。1997年滋賀大学経済学部卒業。2003年神戸大学大学院経営学研究科博士後期課程修了。2006年より滋賀大学経済学部助教授、2007年に准教授を経て、2016年より現職。専門は組織論、リーダーシップ論、組織行動論、経営管理論、経営学。
著書に『リーダーシップ』、『最強の「リーダーシップ理論」集中講義』、『フォロワーが語るリーダーシップ』、『リーダーシップ入門講座』などがある。

ヒストリア講座延期のお知らせ

新型コロナウイルスに負けじと企画してまいりました彦根ヒストリア講座につきまして残念なお知らせです。
この度、国内、市内の新型コロナウイルスの感染状況を鑑み、残念ながら第5講(4/27 蒲生氏郷の章)と第6講(5/18 片桐且元の章)につきましては、感染拡大防止の観点から延期をさせていただくこととなりました。
講座を楽しみにしていただいておりました皆様におかれましては度重なる延期となりましたこと謹んでお詫び申し上げます。
つきましては、今年度第1回目は特別番外編(6/17 織田信長の章)からとなりますので何卒引き続きよろしくお願いいたします。
情況によっては更なる延期も想定されますが、その際はお申込みいただいた方へのご連絡の他、当所ウェブサイト、Facebook、当所LINEアカウントからご連絡させていただきますのでよろしくお願いいたします。

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